2012年10月3日水曜日

フレームとコンポとBianchi C2C系ロードバイク


先日Bromptonを購入した友人(クロス購入を考えている友人とは別人)が、先日のクロスバイクについてのエントリのようにBianchiのロードバイク(C2C系)について比較してみて欲しい言われたので調べてみました。フォールディングバイクを買ったばかりなのですぐ買うわけではないけど…とのことですが、少しでも後押しになればと思っています。

C2C系というのは2008年にBianchiが打ち出したロードバイクカテゴリーの1つで、COAST TO COASTの略称です。その名の通りロングライド向けのバイクがラインナップされており、振動吸収性が高いフレーム設計とマイルドな剛性、長いヘッドチューブ(=高いハンドル位置=乗車姿勢の前傾角度が大きいため身体への負担が少ない)といった特徴を持っています。要するに疲れにくいので長距離走れますよ、というモデルですね。

他にレース向けのB4P [BORN FOR PERFORMANCE]やゴリッゴリの決戦用レース機材のHoC[HORS CATEGORY]の2カテゴリーが存在しています。このあたりのモデルはフレームセットだけで何十万という価格設定なので、おいそれと手が出せません。友人が手を出したとしたら奥さんに怒られてしまうんじゃないかなw

ところで皆さん、フレームというとどんなものを想像します?自分はロードバイクに乗る前はタイヤ以外がフレームなんだろうと漠然と思っていました。そもそもタイヤとホイールの区別すら付いていませんでしたしねw

実際のところは↓の写真のようなものがフレームなのです。


これがフレームです

予想よりシンプル…というか、どこにタイヤ付けるの?という感じですね。ご認識の通り、この状態ではフロントホイールを付けることはできません。じゃあどうするのかというと、フォークというパーツを組み合わせてフロントホイールを付けるのです。


これはフォーク


組み合わせるとこんな感じ

この状態をフレームセットと言います。メーカーカタログでフレームセット:○万円と書いてあるものはこの状態の商品を指しているわけです。当然これだけでは走れないので、シートポスト+サドルやステム+ハンドル、ホイール、タイヤ、チューブ、チェーン、コンポーネントといったパーツを組み付けなければいけません。

ハンドルとかサドルは分かるけど、ステムやシートポスト、コンポーネントって何だよって感じですね。簡単に説明すると、ステムはフォークとハンドルを、シートポストはフレームとサドルを繋ぐパーツのことです。また、コンポーネント(グルッポとも呼ばれます)はいわゆる駆動系パーツ群の総称です。


ステム


シートポスト


コンポーネント(例:シマノDURA-ACE 7900)

今でこそコンポーネント(グルッポ)という名称でまとめてリリースされているパーツ群ですが、昔はパーツごとに様々なメーカーが作成していました。当然組み付けの際に互換性のチェックが必要ですし、メーカーが違うので噛み合せが悪い場合もあったようです。

そこに目を付けた日本のシマノという会社(釣具でも有名ですね)が全部まとめて提供を始めました。この革命的な商材はあっという間に自転車業界を席巻し、多くのパーツメーカーが淘汰されていきました。現在のシェアはシマノとイタリアのカンパニョーロに2分されています。MTB系ではSRAMも一定のシェアを確保していますが、ロードでは前述の2社には遠く及んでいません。

各社のコンポーネントにはいくつかの価格帯(グレード)があります。グレードが上がるごとにパーツ1つ1つの材質や加工精度が上がり、変速性能と軽量化が徹底的に突き詰められていきます。その分高価になっていくので、使用するコンポはスパスパ変速が決まる快感と快適さとのバランスで決定します。

なんでC2C系ではなくコンポの話をしているかというと、Bianchiは同じシリーズのフレームにグレードの異なるシマノのコンポを搭載してバリエーションを増やしているため、コンポについて把握してもらっていると話が早いためです。

シマノからは6つのグレードのコンポが販売されています。
 ・DURA-ACE(7000系/現行7900と7970)
 ・ULTEGRA(6000系/現行6700と6770)
 ・105(5000系/現行5700)
 ・TIAGRA(4000系/現行4600)
 ・SORA(3000系/現行3500)
 ・2300
 ・A050

A050と2300は完全な廉価モデルで、キッズバイクや7万円くらいまでのモデルで使用されています。エントリーモデルは価格を抑えるため、目立たない部分でこのへんのグレードのパーツをしれっと使っていることがあるので購入前にスペック表をよく見ておくといいと思います。

SORAは12万円くらいまでのモデルで使われていることが多いコンポーネントです。コンポーネントの中にはスプロケットと呼ばれる部品(リアギヤのことです)があるのですが、上位モデルと互換性の無い9段変速(2300は8段)であるため、将来的にパーツをグレードアップしていきたいのであれば選ばないほうがよいでしょう。変速の方法も上位モデルとは違うらしいですが、SORAは購入対象として調べたことが無いためわかりません。

TIAGRAは15万円くらいまでのモデルで多く使われています。以前はSORAと同じ9段変速だったのですが、2011年に10段変速化したため、エントリーモデルで爆発的に使われるようになりました。いわゆる新ティアグラってやつですね。最初に購入するロードバイクのコンポとしては非常にコストパフォーマンスが高いと思います。ただ、105が使われたモデルとの価格差が3万円ほどであることが多いため、どうせなら105で…と考える人も多いと思います。自分もRFA5を購入するときに結構迷いました。

105はレースに出るなら最低このあたりを…と言われるグレードで、25万円くらいまでのバイクでよく使用されています。いきなり価格が跳ね上がっているのは、このクラスからカーボンフレームに搭載されはじめるためです。個人的にはブレーキは最低でも105を搭載した方がいいと思っています(なのでRFA5も105モデルにしました)。ちなみにブラックがあるのは105だけなので、フレームの色と合わせるために105を使っている人もいるのではないかと思います。


ULTEGRAはシマノのセカンドグレードのコンポです。このULTEGRAからワイヤーを引っぱって機械的にギヤを変えるのではなく、モーターを使って変速する電動モデル(6770系)が登場しています。モーターとバッテリーの分重くなっているため、どんなメリットがあるのかと思っていました。くま先輩に聞いたところ、限界まで疲れていてもボタンを押せば変速してくれる安心感と、自分の好きな場所に変速ボタンを設置できるというのがメリットなのだそうです。高級フレームを使った30~40万円くらいのモデルに搭載されていることが多いようです。

DURA-ACEはシマノのコンポのトップグレードで、多くのローディーがいつかはDURA、と憧れる存在です。現在は7000系ですが、更に進化した9000系(世界初の11段変速)の発売が今冬に控えています。ロードレースに出場するプロが使用しているモデルで、50万円以上のモデルで使用されています。メーカー旗艦モデルだと100万円を越えているものもあるようです。

で、話はBianchiのC2Cカテゴリーに戻ります。このカテゴリーでは以下の3シリーズ・7バリエーションがラインナップされています。
 ・VIA NIRONE 7(SORA, TIAGRA, 105/TIA)
 ・IMPLUSO(105, ULTEGRA)
 ・INFINITO(105, ULTEGRA)

◆VIA NIRONE 7シリーズ比較
・VIA NIRONE 7 SORA→TIAGRA
コンポがTIAGRAになっていること、それに伴いKMCというメーカーのチェーンが9速用のX9から10速用のX10になっています。KMCのX10はTIAGRAのチェーン(CN-4601)よりも品質が良いので採用されたのでしょう。また、ペダルがVP-189A(フラットペダル)からLook KEO EASY(ビンディングペダル)に変わっています。Keo Easyはビンディングペダルではありますが、シューズを固定する力が軽いため、簡単にクリートをキャッチすることができます。転びそうになったときもすぐ外れるので、初めてのビンディングに適したモデルだと思います。価格差は2万円ほどですが、値段分ののパフォーマンス向上は見込めると思います。


Look KEO EASY

・VIA NIRONE 7 TIAGRA→105/TIA
105とTIAGRAのハイブリッドモデルということですが、シフターとリアディレイラーしか105になっていないのでほとんどTIAGRAモデルのままです。しかもクランクセットがFSAのOMEGA COMPACT 50/34Tが使われているんですよね…。他社製クランクだと変速性能が落ちてしまうため、変速性能に限って言えばTIAGRAモデルより下なのではないでしょうか。


シフター(105)


リアディレイラー(105)


クランクセット

なぜこんなデグレードをしたのか?その理由は以下の変更点によって見えてきます。
 ・シートポスト:RC SP-968G→RC Sp 976G
 ・ホイール:???→Shimano WH-R501A
 ・フレーム:フルアルミ→カーボンバック(シートステイとチェーンステイがカーボン製)
 ・タイヤ:Hutchinson NITRO→Hutchinson EQUINOX

タイヤとシートポストは初期パーツとして組み込まれる(=買い換える際の選択肢に挙がらない)グレードであるためか、Webで調べてみてもあまり情報がありません。恐らく良くなっているんだろうなぁとは思いますが、具体的にどう良くなっているのかまではちょっと掴めません。

TIAGRAモデルのホイールはハブこそシマノのものを使用しているようですが、ホイール名が公表されていないためノーブランド製なのでしょうか。これに対して105/TIAモデルではシマノのWH-R501Aを使用しています。

これらの変更点(タイヤ、ホイール、シートポスト、カーボンバック化)はどれも乗り心地に大きく関与するパーツです。これらのパーツが良くなっているということから、価格を抑えつつ(変速性能を犠牲にしても)乗り味を良くしたいという設計思想が伝わってきます。個人的に変速性能は重要だと考えているので、3万5千円も追加してこのモデルを購入する気にはなりませんが、乗り心地を求める人なら買いかもしれませんね。

◆IMPLUSOシリーズ比較
・IMPLUSO 105→ULTEGRA
105モデルはちゃんとフル105なのですが、ULTEGRAはクランクセットがFSAのGOSSAMER MEGAEXO COMPACT 50/34Tです。しかもスプロケが105のまま変わっていません。シフターやディレイラー、ブレーキはULTEGRAになっていますが、これはULT/105モデルと言うべきなのでは…?

それはともかく、コンポ変更以外の変更点はペダルが付属していないことくらいしかありません。このランクのバイクを買う人なら好みのペダルがあるだろうからそれを使ってね、ということなのでしょう。この点は理解できます。単純にコンポを入れ替えたモデルなのですが、グレードアップは部分的なものに留まっています。しかもサードパーティーのクランクセットを使っているせいで折角のグレードアップが台無しになっている感すら漂っています。こんなに無理やりTIAGLAを使わせようとしなくてもいいんじゃないでしょうか。ただ、1万2千円の上積みでいくつかのパーツがULTEGRAになるのは確かに得なんですよね。この点をメリットとして捉え、かつゆくゆくはクランクセットを交換することを呑めるのであれば買っても良いモデルだと思います。

◆INFINITOシリーズ比較
・INFINITO 105→ULTEGRA
価格差が7万円以上あるだけあって、INFINITOのULTEGRAモデルはちゃんとコンポ一式がULTEGRAになっています。コンポの変更以外ではタイヤがMavicのAKSIUM 012 WTSからKSYRIUM EQUIPEになっていることと、タイヤがMavicのBLACK TIREからHutchinsonのFUSION 3になっていることが挙げられます。素直なアップグレードが行われているため、あまり書くことがないですw

もし自分がこの中でどれか1つ選べと言われたら、IMPLUSO 105を選ぶと思います。価格と性能のバランスが取れているし、カーボンでは無いので扱いがデリケートではないし、コンポを少しづつ良くしていく楽しみもあるし、もっといいのを買えばよかったーというセカンドバイク欲しい熱も高まるしw

最初の1台としては楽しみどころを多く持っているコストパフォーマンスが一番高いモデルではないかと思います。今乗ってるRFA5と同じくらいのポジションに位置するモデルだから、ってのもあると思いますけどw

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